ざぁこ雑魚
回線よわよわ
許せねぇ
ーTENTA1 心の川柳ー
はじめに
この記事は「トリプルバトル構築記事AdventCalendar2022」3日目の記事となります。私以外の構築記事も是非ご覧ください。
今回のコンセプト
誰もやったことのないギミックを使いたい
→フリフォ転がるバグを利用できないかな
→味方は持ち上げられないし、流石に相手依存は厳しいよな
→ならトリル下でも絶対に先制できる構築はどうだろうか
→この方法ならぎりぎり実用的だな、いけるか…?
今回利用する仕様について
転がるバグとは、フリーフォールによって威力が16倍にならないまま5ターンの行動が終了すると、次に選択する攻撃技に16倍、丸くなるをしていれば32倍の補正が乗る現象のことである。第八世代のバージョンアップによって修正されるまでこの現象が確認された。これを利用して放つドータクンの大爆発はHB特化Mボスゴですら一撃で倒すことができる。
トリックルームの説明文は「5ターンの間すばやさの遅いポケモンから行動できる」である。しかし、実際は素早さの実数値をXとして、(i)X≥1809なら10000-X、(ii)X<1808なら1808-Xと計算し、値の高い順に行動するようになっている。すなわち、1809≤X≤8191のポケモンはトリル下でも通常の(ii)に当たるポケモンに先制できるのだ。今回はこの仕様(以下、便宜的に限界突破と呼ぶ)を利用して通常時でもトリル下でも先制できるポケモンを作成する。
構築を決定した経緯
今回用いる限界突破は既に多くの人に検証されている。私はテツポンドさんの記事を読んで詳細を理解した。その方はORASトリプルバトルの実戦で限界突破を行う方法を紹介する記事も書かれていたのだが、私は自分で考えた構築以外はあまり使いたくないので自分で使う構築を考えた後その人の記事を見て答え合わせをすることにした。決して限界突破の仕様を紹介した記事だけを見て構築を完成させた後改めて仕様を確認しに行ったら方法を紹介する記事を見つけてその切り口の多さに圧倒されたとかそういうのではない。
限界突破を達成するために要求される素早さは1809以上、最速130族の実数値が200であるため単純に考えれば9倍以上の補正をかけなければならない。では素早さに補正を掛ける手段は何があるのか。よく用いられているのが天候倍速特性、追い風、スカーフ、殻破、ジオコンである。このうち前3つだけでは6倍までなので、S↑の積み技を使うのは必要不可欠だ。ジオコンは使用者のドーブルが全く信用ならない(ヘイトを稼いですぐ沈む)ので殻破を使用することになるのだが、ハーブを持たせたい都合上天候倍速特性持ちでなければ8倍までであり条件を満たさない。そして天候倍速特性持ちの中で最速のオムスターですらS実数値117のため2積みのS4↑では条件を満たさないが、積み技を使うポケモンを3ターン守り切るのは現実的ではない。よって今回は殻破バトンで天候倍速特性持ちにつなぐ戦法を取ることに決定する。
殻破バトンの使用者はサクラビス、ハンテール、ドーブルがいるが、ドーブルは論外として、サクラビスとハンテールの耐久・S種族値は同じである。よってより火力の出せるサクラビスをバトン役とした。次に、バトンを繋げるまでの安定性を高めるためにサクラビスの持ち物は白いハーブとし、最もヘイトを稼ぎやすい妨害役であるドーブルと積みを一手で終わらせるためにシンプルビーム役を採用した。シンプルビーム役はバトンと同時に追い風を使えてその中で耐久が最も高いネイティオとした。それから、バトン先エースを選定した。できるだけ火力を確保するために範囲技に天候とタイプ一致の補正が乗るすいすい水特殊ポケモンの中から選ぶとして、要求されるのはある程度の耐久(A特化アローの鉢巻ブレバ確定耐え)とそれなりの範囲火力(ニンフワンパン程度)である。スカーフを巻かない場合にフローゼル、スカーフを巻く場合にオムスター、キングドラが候補に挙がったが、安定性を重視してキングドラを採用することにした。(キングドラが持ち物込みC161、S151の時の耐久指数が最も高い)単純殻破バトンスカーフグドラで限界突破できるやんと気付いたからこの構築を作って構築記事を書くに当たって強引に理由付けをしたとかそういうのでは断じてない。そして、天候要員のニョロトノとネイティオが流された後の波乗り無効サポーターの中でファスガ、フェイント、猫を使えるドクロッグを採用してこの構築を完成させた。
構築が完成したため、テツポンドさんの記事を見に行くことにした。
ビビり叩き、砕鎧弱保、自己暗示等自分では思いつかなかった手法がいくつも掲載されており驚いたが、意外なことに殻破バトンは紹介されていなかった。よって、取り敢えず自分で考えた構築を実戦投入することにした。
個別紹介(初期案)
・サクラビス@白いハーブ すいすい 穏やか H252D20S236
殻を破る/守る/バトンタッチ/熱湯
ほぼ固有の殻破バトン要員。ハンテールがA104C94なのに対し、サクラビスはA84C114とこちらの方が火力が高く威嚇の影響も受けないためバトン後のすいすいスイーパーとして適している。殻破→バトンの流れは横取りや挑発で止められるため守るを挟んで最適なタイミングを図る必要があるのだが、私のプレミが多く中々繋がらなかった。Sは単純殻破後に追い風下準速100族抜きで先にバトンを出せるようにして残りは特殊に厚くした。H振りだけで陽気ガルの捨て身が低乱1なのは意外だった。
・ネイティオ@オボンの実 マジックミラー 穏やか H252B100D156
シンプルビーム兼追い風要員。調整はA特化アローの鉢巻ブレバ耐え残りD。攻撃技はグドラのC4↑雨下波乗りを耐えるクレセやブルンに通りやすいナイヘとし、自発的に限界突破するためトリルを採用した。しかし、バトンのターンは追い風優先のためグドラに流されて行動することができず、失敗した時のトリル返しや削りに使うのみだった。そもそもトリルを自分で展開する場合、限界突破できるのは最初の3ターンだけなので無理に狙いに行く旨みが薄い。マジミラにより申し訳程度のダクホ対策をしているがスキスワで奪われて眠らされたこともあった(1敗)。
・ドーブル@気合の襷 ムラっ気 陽気 HS252B4
第6世代最凶のサポーター。単純殻破バトン自体は知っている人も多いのだが、ドーブルが盤面にいればダクホを嫌う人はそちらの処理を優先するためギミックの始動が格段に安定する。これが多くの人が提唱する実質この指要員である。実際は初手猫、2ターン目指(きつかったらワイガ)をして消えていく。消えてもらわなければ邪魔なのでこちらとしても願ったり叶ったりであった。
・キングドラ@拘りスカーフ すいすい 控え目 HC252B4
波乗り/吹雪/ハイドロポンプ/龍の波動
今回の構築の主役である限界突破アタッカー。最速での実数値が150でありスカーフを持たせなければ限界突破に必要な値に1足りないというこちらをイラっとさせる絶妙な種族値をしている。C4↑した雨下波乗りでテンプレ調整のニンフが高乱1という最低限の火力しかなく、トリパに多いバレルもブルンもクレセもワンパンできない悲しみを抱えている。当たり前だが波乗り以外の技を撃つような試合は負けである(ゲングラ、2敗)。
・ニョロトノ@命の珠 雨降らし 控え目 H252B196C60
ハイドロポンプ/雨乞い/アンコール/冷凍ビーム
天候要員。限界突破キングドラが完成してもグドラで敵を全て倒すのは現実的ではないと判断したので意地ガルの捨て身耐えまで耐久に振り、残りはCに回して球を持たせた。雨下ドロポンは強力だったがアンコは微塵も役に立たなかったので技枠の見直しが必要だと思った。
ネイティオが流された後のサポーター。S関係なく先制する不意打ちとアローを咎めるための猫ファスガ、ワイガを崩すためのフェイントとほしい技が一通り揃っている。持ち物は何も思いつかなかったため申し訳程度のMガル対策としてホズを持たせたが陽気ガルの捨て身が低乱1なので大して意味はない。今思い返せばラムで良かった。限界突破キングドラを完成させたある試合で相手のドーブルのダクホをすべて躱すという豪運を発揮した。
理想の動き
1ターン目 ドーブル→猫orダクホ ネイティオ→ラビスにシンB ラビス→殻破
2ターン目 ドーブル→指(ワイガ)で退場 ネイティオ→追い風 ラビス→グドラバトン
これにより次ターンから限界突破
3ターン目 ニョロトノ→ドロポン ネイティオ→自由、退場 グドラ→波乗り
4ターン目 ニョロトノ→ドロポン ドクロ→サポート グドラ→波乗り
非トリル下では普通に先制できるため、トリルは1ターン目に相手が展開することを前提としている。
First Try
14戦して2回だけ限界突破に成功し、2勝2回線切れ10敗。この時私の家の回線が非常に悪く、最初に限界突破に成功した試合で勝ち確の盤面でこちら側の回線切れによりBVが残せないという事件が起こり発狂した。その日は更に3回回線切れを起こし、翌日に切断鯖に送られてしまった。許せねぇ。切断鯖環境で何とか2回目の限界突破に成功しBVに残すことができたが、サンプルが少なかったので相手をトリパに指定してフレ戦を募集した。フレ戦では私のプレミにより限界突破はできなかったが、徐々に最適な動きが見えるようになった。そして仮想敵をトリパに絞ろうと思いながら、色々あってテツポンドさんにアドバイスを貰うことにした。
※切断鯖環境→切断を多く行った、又は行われたプレイヤーは徐々にマッチング数が 減り、次第に全く当たらなくなる。この全くマッチングしない状況を便宜的に切断鯖環境と呼ぶ。マッチング数が減るだけでなく、マッチングする相手が固定化されるという特徴がある。これらは全て私の推測だが大きく外れてはいないだろう。
改良
他人に構築の綿密なアドバイスを貰ったのは今回が初めてだったが、私では思いつかなかった案をいくつも提案されてとても参考になった。彼のアドバイス(赤字部分)を基にトリパを仮想敵に絞って行った変更を以下に示す。
変更なし。
D20S236→B52D204
追い風軸を切ったので耐久振り。
穏やか→慎重 ナイトヘッド→電光石火
波乗りで流されるターンに少しでも相手を削れた方が良いので石火を採用し、それに合わせて性格も慎重に変更。これによりテンプレニンフが確定で倒せるようになる。
B196C60→B4C252 アンコール、雨乞い→滅びの歌、守る
メガガルーラはそもそもグドラの雨下波乗りでH振りでも確定1発なので耐久調整をする意味が薄いためCに特化。又、腐っていたアンコは詰めに使える滅びに変更し、それに伴い天候奪取は上手くサイクルすることで解決することにして雨乞いも守るに変更。
チャーレム@チャーレムナイト テレパシー→ヨガパワー 陽気 H4AS252
チャーレムはドクロと同じく波乗り無効で猫、ワイガ、フェイントを使え、耐久も同程度である。そして、グドラが倒れた後M進化することでドクロの何倍もの火力を出せる。よってドクロをチャーレムに変更した。
Second Try
フリーなのでトリパにはあまり当たらなかったが、7戦やって1回だけ限界突破に成功し、2勝5敗。対戦数は少ないが、切断鯖環境でほぼ当たらなくなったことと再戦が増えたによりこのパーティーでの対戦を終えることにした。
テツポンドさんからラビスを中央に置けば限界突破に成功した時に勝てる可能性が高まるのではないかという提案があったが、試すのを忘れていた。
まとめ
結果として限界突破に成功したのは3回だけだが、この構築はこれで完成したように思う。仮想敵であるトリパに対して、①こちらのネタが割れていない、②ラビスの正面に挑発持ちがいない、③ラビスとネイティオがトリル下でエースの攻撃を耐えきる、④ドーブルが2ターン目で退場するの4つの条件を満たすことができれば限界突破に成功できる可能性は十分ある。限界突破を目的とした構築でそれなりに完成度が高いものが出来て満足である。
我が家のクソ雑魚回線については、新しい3dsを購入して切断鯖環境から脱出し、ルーターで補強することで一先ず解決した。対戦相手も切断鯖環境に送り込んでしまう可能性があるため、通信環境を整えるのは大事だと今回の件を通して改めて思った。それはそれとして、我が家の回線には猛省してもらいたいものである。
最後にこの構築にアドバイスをして下さったテツポンドさん、誠に有難うございました。
切り抜き
ちなみに、この構築の裏の目的は切り抜かれることであった。やったぜ。またいつか全力で切り抜きを狙う構築を作ろうと思う。
参考文献
今回利用した仕様についてより詳しい説明をされている記事